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友達の赤ちゃんを抱っこさせてもらってぼんやり思った
「私が今不妊治療をしてる身だったら今どんな感情を抱いてどんな表情を作るだろうか」
別に考えなくていいことが頭をよぎった
別に考えなくていいのに苦しくなった
そんな身でもないのに、抱っこをしながらどんな顔をすればよいのか分からなかった
多分、曖昧に笑ってかわいいかわいいと連呼したのだろう
赤ちゃんって小さくてあたたかくて精密にできていて、暴力的なほどに生命力を放つ生き物だ
子どもなんて産みたくないと、子どもを持つなんて恐怖だと繰り返し繰り返し言ったり思ったりしているのに
いざ子どもを抱いている友人を見ると自分が劣っているのではと感じてしまう
はたさなければならないつとめを放棄しようとしているのではないかと
くだらない既成概念にとらわれ、自分の中の老害が囁いてくる
生産性
生産性
そんな考えは古いんだ間違ってるんだ
でもどこかでよぎる
私は一生子どもを産まないのだろうか
それは正しいんだろうか
いつか欲しいと考えるようになるのだろうか
産みたくなれば産めるよう、婦人科系の病気はないだろうかと不安にかられたりもする
欲しくないとか言ってるのに笑っちゃうね
少なくとも
この世界を、生きることを賛美できない私は到底子どもなんて育てられない
今の私の考えはここ止まりだ